デンプンは、植物の葉緑体において光合成が行われることで生成され、種子や茎、根などに貯蔵されています。デンプンは、白色の粉末状をしており、水に溶かしきることは困難です。ただ、水にデンプンを加えて加熱するとだんだんと液質がゲル状に変化し、「糊化(こか)」の状態にすることはできます。さらに、これを冷却すると水に全く溶けない状態である「老化」を起こします。この老化を防ぐために、食品などに添加される際にはトレハロースなどの糖類が併用されることがあります。Copyright ©ANDY INC. All rights reserved.加工デンプンは法律で決まっている「一括表示」が認められている添加物ではありませんが、複数種の加工デンプンを使用しても表示は「加工デンプン」とだけ記載すればよい食品添加物です。加工デンプンには次の12種類があります。化学合成でデンプンの分子構造を変えたものになります。冷凍に耐え、デンプンの老化防止に効果があるとされ、冷凍食品などに使用されます。食品には糊料として使用されますが使用量の規制があります。使用できる量は、他の合成糊料とあわせた量が全体の2%以下となっています。加工デンプンは、食品添加物としては増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、乳化剤の用途で使用されています。具体的には、スナック菓子、生菓子、ドレッシング、冷凍麺類、ホットケーキミックス、ジャムなどに使用されています。デンプンの種類によって、使われる食品は違いますが、一般的に加工デンプンが使用されると食感や味の改善、安定性や乳化を促進させることができるようです。また、比較的安いコストで使用出来ることもあり、食品メーカーにとっては欠かせないものとなっているようです。加工デンプンとは、デンプンの持つ非水溶性や老化などの性質を化学的、物理的、酵素的に加工処理し、さらに機能を付与したり向上させたりしたものを言います。日本では、1960年代にデンプングルコール酸ナトリウムとデンプンリン酸エステルナトリウムが食品添加物としての認可を受けたことを皮切りに、今日まで徐々に加工デンプンは認可されるものが増えています。加工デンプンは、未だにその安全性に関する情報が不足していることが問題に挙げられます。デンプンに化学薬品を加えて、その特性を失わせたり、増強させたりと人為的に操作しているわけなので、何かしら人体には影響がありそうな気もします。また、加工デンプンは、赤ちゃん用のミルクやベビーフードなど乳幼児向けの飲食料に含まれていることがあります。既に、EUでは乳幼児向け食品に、一部の加工デンプンの使用が禁止されています。安全性が不確かなものを、体の発育が未熟な子どもに摂取させるのは避けたいところです。成分表示を見て、気になるようなら子どもに摂らせるのは控えるようにした方が良いかもしれません。アセチル化デンプンは、じゃがいもデンプン、米デンプン、小麦デンプンなど多くの種類があります。他のアセチル化デンプンも同じですが、アセチル基の結合する位置・結合する数によってたくさんの種類のアセチル化デンプンができるのです。デンプンは、トウモロコシ、米、小麦、豆類、ジャガイモ、タピオカなどが原料となっています。ちなみに、トウモロコシのデンプンのことは、別名でコーンスターチとも呼ばれています。デンプンは、そのままの状態で使用されることもあれば、糊化や老化などの特性を活用したものが使用されることもあり、それらの特性を化学的に加工して発生させないようにしたものが使われることもあります。欧州ではヒドロキシプロピルデンプンを幼児向けの食品に使用することを禁止しています。 クロロフィルもカロテノイドも、植物細胞内の色素体に蓄積します。色素体は藻類を含む植物に特有の細胞小器官で、高等植物では細胞の機能に応じて様々な役割を持つ形態へと分化します。例えば、葉の細胞ではクロロフィルを多量に含んだ葉緑体が発達しますが、大根などの根の細胞では無色の白色体が、トマトの果実やヒマワリの花弁の細胞などではカロテノイドを蓄積した有色体が見られます。また、ジャガイモの塊茎などの貯蔵組織の細胞ではデンプン粒をため込んだアミロプラストが発達します。これらの色素体は原色素体と呼ばれる未分化な色素体から分化するほか、発達過程や生育環境に応じて相互変換することも知られています。前述のトマトやバナナの例でいうと、果実の登熟の過程で葉緑体が有色体に分化することで色が変わるわけですが、発達の過程で色素体が変換するしくみは、実はまだよく分かっていません。本年度の文部科学大臣表彰若手科学者賞の受賞を機に本欄に執筆する機会をいただき、八月も終わりが近づいた頃にこの原稿を書いています。そろそろ、自宅のプランターで育てているメロンも収穫の時期なのですが、メロンの果実は外見上の変化がほとんどないので、最適なタイミングが分かりづらくて困ります。その点、トマトやバナナの実や皮は熟すと緑色から赤色や黄色に変わるので収穫時期が一目瞭然です。植物の緑色はクロロフィルに由来しますが、実が熟すにつれてそれが減少し、かわりに赤や黄色のカロテノイドが増えてくるためです。このように、緑になるかどうかは組織や種によって様々ですが、いったいどのようなしくみによって葉緑体の分化は調節されているのでしょうか。私はこの疑問を明らかにするために、葉緑体の分化が促進、または抑制される条件をモデル植物であるシロイヌナズナの根を用いて調べました。その結果、光合成器官である地上部を失うと根で葉緑体の分化が進むことが分かり、この制御に植物ホルモンのサイトカイニンとオーキシンが深く関与していることも明らかとなりました。通常、シロイヌナズナの根では、地上部から輸送されるオーキシンにより葉緑体分化が強く抑制されており、光合成の効率も葉と比べて非常に低くなっています。しかし、地上部を失った根ではオーキシンによる抑制が減少し、それと同時に傷害部におけるサイトカイニンシグナルが活性化され、緑化が促進されることが分かりました。このとき、根のクロロフィル量が増えるだけでなく、光合成の効率も良くなったことから、地上部を失ったことにより、根が光合成器官へと変化しているのだと考えられます。根における葉緑体分化には複数の転写因子(DNAに結合し遺伝子の転写を調節するタンパク質)が関わっており、そのような因子を人工的に過剰に作らせると、確かに根で葉緑体の分化が促進し、白い根が緑になることが確認できました。この効果は転写因子の種類によって違いがあり、ある転写因子はクロロフィルの合成に関わる遺伝子の発現を強く誘導する一方で、別の転写因子は光合成タンパク質の遺伝子発現を顕著に上昇させることが分かってきました。この遺伝子発現のバランスが光合成の効率に重要なようですが、それがどのように調整されているのかは、目下究明中の課題です。それでは、地上部を失った際に起こる根の緑化という現象が、植物にとってどのような意義を持つのかを考えてみたいと思います。自然界では、植物は食害や生育環境の変動によって頼りの光合成器官を失ってしまうことが多々あります。そこで、地上部を失った根は葉緑体を発達させ、自らが光合成器官となることでこの危機を乗り越えようとしている可能性が考えられます。この考えは再生能力が高いタンポポの観察から一部裏付けられました。タンポポでは地上部を切除すると根から地上部が再形成されるのですが、その際に根の光合成を薬剤で阻害すると、地上部の再形成も阻害されたのです。このことから、根で行われる光合成が地上部の再形成に重要であることが分かります。葉緑体が最も発達する器官は葉であり、その機能は光合成に特化しています。そのため、光合成器官と言えば葉で、それ以外のところは光合成をしないと考えがちです。しかし実際には、茎や枝、花弁や果実でも、緑色をしたところ(葉緑体が発達したところ)は光合成をするようで、草本の茎では葉と同様に、光合成による炭素固定が呼吸による消費を上回ります。木本の枝や果実では正味の炭素吸収はしませんが、呼吸により発生する二酸化炭素を再固定するのに役立っていると考えられています。中には、なぜこんなところが緑に、と思うものもあります。例えば、トマトの種のまわりのゼリー質にも緑色の部分があり、光合成を可視化する装置でみると、弱いながらも光合成活性を持っていることが分かります(図A)。ナスやキウイフルーツの果実も内側まで薄い緑色になっており、光合成の活性が見られます(図B、C)。また、一般に地中深くに伸びる根は緑にはなりませんが、着生ランの仲間は樹木や岩に根を張りつかせて生育するため、緑色の根を持つものが少なくありません。さらには、クモランなど、葉をまったくつけずに緑化した根のみで光合成を行う種も存在します。一方で、玉ねぎや大根の根は光を当てていてもほとんど緑化しないようです。草むしりのときに、雑草は根から抜きましょう、と言われるのは、タンポポなどは根が残るとそこからしぶとく再生してくるからです。その際には、前述のような植物の危機応答のしくみが働いているのかもしれません。今後さらに研究を進めて、植物に共通な葉緑体の分化制御のしくみと、それに基づく植物の多様な生き方に迫っていきたいと考えています。
葉緑体の分裂という細胞内での現象と、細胞分化という植物全体での現象の関係がつながったことは、植物の成長の基本的な仕組みを理解する上で重要です。 デンプン粒の大きさは、葉緑体の大きさに依存することが知られています。 デンプン粒・脂肪粒は養分の貯蔵の手段で、デンプン粒は地下茎・根や種子、脂肪粒は種子の細胞によく見られる。 光合成で作られた糖は葉肉細胞の葉緑体にデンプン粒として一時的に貯蔵され、徐々にショ糖に変換されて篩管を通って他の器官に転送される。 藻類の細胞あたりの葉緑体の数はほとんど一定で、その分裂は細胞自体の分裂に合わせて一定のペースで起きています。一方、陸上植物では、細胞によって葉緑体の数や大きさ、分裂のペースは大きく違います。新しい葉が次々と作られている分裂組織の付近では、葉緑体は小さく活発に分裂していますが、成長した大きな葉では、葉緑体は大きく分裂は活発ではありません。藻類に比べて構造が複雑な陸上植物では、葉の成長などに合わせた葉緑体分裂の調節が必要です。しかし、葉緑体分裂の制御の仕組みはほとんど分かっていませんでした。今回、PDV1、2に着目し、葉緑体分裂の調節機構を解明することを目的に研究を行いました。特に、陸上植物で新たに進化した植物の成長に合わせて葉緑体の分裂をコントロールする仕組みの解明を目指しました。デンプン粒の大きさは、葉緑体の大きさに依存することが知られています。今回、PDV1、PDV2の量を人工的に変化させることで、葉緑体の数や大きさを変化させることができました。この成果を利用して、例えば、作物に含まれるデンプン粒の大きさを変えることが可能かもしれません。デンプンの大きさを変えて新しい食感を得たり、工業的に利用価値の高い品種の開発につながる可能性があります。また葉緑体は、適切な量の光を得るためや、活性酸素を発生するような強光から逃れるために、光量に応じて細胞内を移動することが知られています。葉緑体の数と大きさを人工的に変化させることで、この運動効率を変え、強光に強い植物を作出できる可能性も見えてきました。葉緑体は分裂面にリング状に存在する葉緑体分裂装置によって中央がくびれ、2つに分かれる。分裂装置は複数種類のタンパク質からなり、その一部であるPDV1、PDV2は外側の膜(外包膜)に局在している。今回の研究結果により、葉緑体の分裂制御と細胞分化の結びつきが初めて遺伝子レベルで明らかとなりました。葉緑体の分裂という細胞内での現象と、細胞分化という植物全体での現象の関係がつながったことは、植物の成長の基本的な仕組みを理解する上で重要です。緑藻は細胞分裂に合わせて、ほぼ一定の速度で葉緑体分裂をする。その葉緑体分裂装置にはPDVはない。従って、陸上植物の祖先がPDVを葉緑体分裂装置の中に取り入れたと考えられる。PDVの量は、植物ホルモンであるサイトカイニンによって起きる細胞分化プログラムによって変化する。PDVによって陸上植物は葉緑体分裂の頻度をコントロールできるようになり、細胞の葉緑体の数や大きさを変化させることができるようになった。この成果は、葉緑体分裂の制御機構を初めて明らかにしたもので、植物の成長の基本的な仕組みの理解に貢献します。また、葉緑体の数や大きさを自在に変化させて、デンプン粒の大きさを変えた作物、強光に強い作物、光合成能を高めた作物などの開発が期待されます。当サイトは、Javascriptを使用しています。Javascriptを無効にして閲覧した場合、コンテンツが正常に動作しないおそれやページが表示されない場合があります。当サイトをご利用の際には、Javascriptを有効にして閲覧下さい。葉緑体は光合成を行う細胞内小器官で、光合成は植物を含めたすべての生命を支えているといっても過言ではありません。葉緑体は、今から10~20億年前に、光合成を行う独立した生物(シアノバクテリア)が、植物の祖先細胞に取り込まれてできたと考えられています。そのため、もはや植物細胞の一部となった今でも、ゼロから作り出すことはできず、葉緑体自身が分裂することによってのみ増えることができます。 デンプンは、植物の葉緑体において光合成が行われることで生成され、種子や茎、根などに貯蔵されています。 デンプンは、白色の粉末状をしており、水に溶かしきることは困難です。 その結果,図17に示すように葉緑体があざやかな青紫色に染色され,葉緑体中に デンプンが存在することが明瞭に示された。 図17.脱色後ヨウ素液を滴下した後の葉緑体 以上の結果,エタノールによる脱色操作を行うことで、ヨウ素反応による呈色が 葉緑体の色:赤紫~青紫色 *この写真はヨウ素液でやや染め過ぎています。 観察のポイント 緑色植物では,同化デンプンを葉緑体の中に生成します。細胞中の葉緑体が青紫色に染まっている事を確認しま … 植物の葉っぱの細胞の中には沢山の葉緑体があり、大きさは5μmで楕円状をしており光合成が行われる工場となります。 その葉緑体の中に光を受ける受光体(チラコイド)があり、その中で無数のクロロフィルαとβが光を吸収して活性化します。